本記事では、一般的なビジネスケースである「東京駅周辺にあるスターバックス1店舗の売上向上施策を考えよ」という問題を例に取り上げます。
まずは、このお題に対する「良い回答例」と、ケース面接における致命的な失敗を含む「悪い回答例」を、面接の発表形式そのままに提示し、その後どのようなポイントが評価の差を生んでいるのかを徹底的に解説します。
まずは本文を読む前に、5分程度であなた自身の回答を考えてみて、現時点でのあなたの思考が採用レベルに達しているかを確認してみてください。
また、自身が解いたケース面接は弊社エージェントが添削いたしますので、下記宛に下記情報を記載した上で、送っていただけますと幸いです。
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監修
WowCraft株式会社 代表取締役CEO 末角 雄大
一橋大学卒業後、アクセンチュア株式会社に入社。
Strategy部門にて、エンタメ企業、通信・IT企業、製造業等の幅広いクライア ントに対して、新規事業策定、成長戦略立案を行う。

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良い回答例と悪い回答例
以下に悪い回答例(3つ)と良い回答例(1つ)をそれぞれ示します。
悪い回答例1
東京駅周辺のスターバックス1店舗の売上向上施策について、5分間で考察した内容をご説明いたします。まず、スターバックスの事業機会を特定するため、3C分析を用いて現状を分析します。Cusomter(顧客)の側面では、東京駅という立地から、通勤客、観光客、出張客といった多様な層が利用しており、特に朝の時間帯に需要が集中しています。Competitor(競合)としては、ドトールやタリーズなどのカフェチェーンに加え、コンビニのコーヒーも競合として考えられます。Company(自社)の強みは、ブランド力と質の高い接客です。
この3C分析の結果から、売上を最大化するためのKFS(Key Factor for Success:成功要因)は、「ピークタイムの対応能力の最大化」と「待ち時間のストレス解消」であると特定しました。したがって、この成功要因を実現するための具体的な施策を提案します。まず、レジの行列を解消するため、モバイルオーダーの専用受取口を新設し、さらに店舗外に「特急テイクアウトカウンター」を設置することを提言いたします。これによって、急いでいる顧客の流れを分離し、客数を取りこぼさないようにします。次に、待ち時間を快適に過ごしてもらうため、全席に無料で充電できるコンセントを設置し、店内に東京駅周辺の運行情報やビジネスニュースを流す大型ディスプレイを導入します。さらに、スターバックスのブランド体験を高めるため、店舗限定デザインのタンブラーを販売し、話題性を創出します。これらの施策によって、顧客の回転率を上げつつ、満足度を向上させることができると考えます。以上で私の発表を終わります。
悪い回答例2
東京駅周辺のスターバックスの売上向上施策について、私の考察した内容をご説明いたします。私は、この店舗の課題である「通過点」になってしまう状況を改善し、顧客体験を最大化することに焦点を当てた、以下の3つの施策を提案いたします。具体的には、東京駅限定のオリジナル商品や和風ラテの開発、購入時の運試しレシート企画の導入、そして店内のBGMの時間帯別大幅な見直しの3点です。この施策によって、お客様にスターバックスというブランドをより深く好きになってもらい、結果的に来店頻度とSNSでの拡散率が向上し、売上向上に繋がると考えます。
まず、この施策を考えるに至った背景として、売上を向上させるには、お客様にスターバックスというブランドをより深く好きになってもらう、つまり顧客体験を最大化することが最も重要だと考えます。現在の店舗の課題は、東京駅という場所柄、どうしても「通過点」になってしまい、ブランドの持つ魅力が十分に伝わっていない点にあると認識しています。
この問題意識に基づき、私は顧客の滞在価値を高めることに焦点を当てた分析を行いました。この店舗を利用する顧客を深く理解するため、セグメンテーションを行ったところ、顧客は「急ぐビジネス層(通勤・出張)」「観光を楽しむ旅行層(国内外)」そして「待ち合わせや休憩利用層」の3つに大別できます。この中で、現在の店舗が最も魅力的にアプローチできていないのは「観光を楽しむ旅行層」であり、彼らは価格よりも「思い出」や「限定感」といった情緒的な価値を求めていると分析します。
したがって、この「観光を楽しむ旅行層」の感情に響く滞在価値を高めることに焦点を当てた、以下の3つの施策の詳細を提案いたします。
まず第一に、「東京駅限定」のオリジナルグッズとメニューの開発です。具体的には、新幹線の形状や、東京の主要なランドマークをモチーフにしたデザイン性の高いタンブラーや、日本酒の風味を加えた和風の限定ラテを開発・販売します。これは、旅行客や出張者のお土産需要を喚起し、SNSでの話題性を創出することが狙いです。
第二に、「本日の運試し」レシート企画の導入です。購入時のレシートにランダムで「本日のラッキーメッセージ」や、「次回ドリンク100円引き」といった景品が当たるくじを印字します。これにより、お客様にちょっとした「楽しさ」を提供し、来店時のわくわく感を高めることで、リピート利用を促します。
そして第三に、店内のBGMを時間帯ごとに大幅に見直すことです。現在の画一的な選曲から、朝は気分が高揚するような軽快なジャズ、昼は日本の四季を感じさせるヒーリングミュージック、夕方は帰路につくお客様を癒やすボサノヴァなど、時間帯や曜日、季節に応じて専門家が選曲したプレイリストを導入します。これにより、居心地の良い特別な空間を演出し、顧客満足度を上げます。以上で私の提案を終わります。
悪い回答例3
東京駅周辺のスターバックスの売上向上施策について、私の考察した内容をご説明いたします。私は、この店舗の顧客ロイヤルティの強化を柱とする戦略を提言し、具体的には、地域との連携を強化するプロモーションの実施、デジタル技術を活用した新たな付加価値の提供、そして従業員の接客レベルの底上げという3つの施策を提案いたします。これらの取り組みを通じて、売上向上という目標を達成できると考えます。
まず、この施策を考えるに至った背景として、売上を向上させるには、現状の店舗のポテンシャルを最大限に引き出すことが肝要だと考えます。現在のスターバックスは、立地こそ良いものの、「ブランド価値の浸透」という点で課題が残されています。
分析の結果、売上向上のためには、全方位的な顧客へのサービスレベルの引き上げと、店舗の利用価値の抽象的な向上が必要であるという結論に至りました。したがって、以下の3つの施策を提案いたします。
まず第一に、「地域との連携強化」を図る施策です。具体的には、店舗周辺の企業や地域団体と協力し、共通のプロモーション活動を実施することで、店舗の認知度と親近感を高めます。これは、地域全体でのスターバックスの存在感を高めることが目的です。
第二に、「デジタル技術を活用した付加価値の提供」です。お客様がより快適に店舗を利用できるように、スマートフォンアプリとの連携を強化した新たなサービスを導入します。これは、現代のニーズに合わせた店舗の利便性を向上させるための重要な要素です。
そして第三に、「従業員の接客レベルの底上げ」です。単にマニュアル通りではない、顧客一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズされたサービスを提供できるように、教育プログラムを刷新します。これにより、顧客満足度とロイヤルティを確実に向上させます。
これらの施策によって、店舗のブランド価値が再認識され、競合との差別化が図れると考えます。以上で私の提案を終わります。
良い回答例
結論としては、短期的な施策としては客単価向上のため「イートイン顧客へのタンブラー購入優待によるクロスセル強化」、中期的な施策としては客数増加のため「周辺企業との法人契約による安定的な顧客層の獲得」を提案いたします。
次に、どのようにしてこの結論に至ったかを説明します。
まずは、本ケースを考える際に、私がおいた前提を説明します。
・クライアントがスターバックス運営会社で、東京駅周辺の店舗売上を上げたいとして、1日の売上が50万円程度、1日に14時間営業しているとする。
・売上比率はドリンク:フード=8:2、顧客層はビジネス層:観光・休憩層=7:3とし、平均客単価は650円、1組あたりの平均客数は1.5人とし、1日で約500組(約750人)が訪れるとする。
・この店舗は50席程度が座れるが、ピークタイムのキャパシティ(席数)と回転率が既に飽和状態にあるとする。
まず、売上は、①客単価 × ②1組当たりの平均客数 × ③組数によって計算されます。
②の1組当たりの平均客数は、スターバックスの場合、一人利用が多いため簡単に増やすことが難しく、今回は①客単価か③組数を増やすことを考えます。
まず、①客単価について検討します。
客単価=平均商品単価 × 平均購入個数です。
このスターバックスに来店する顧客が10人いたとして、ドリンクのみ:ドリンク+フード=7:3だと考えました。
特に、ビジネス層はテイクアウトのドリンクのみを購入し、検討時間がなくフードなどの非計画購買機会を逸失しているのが現状のボトルネックです。
このビジネス層の客単価を向上させるために、例えばイートイン顧客への「タンブラー購入優待と次回来店時の割引のセット販売」などが施策として考えられます。
現時点で、タンブラー販売は行われていますが、それを次回来店時の割引という特典と組み合わせ、顧客に「今すぐ買うべき理由」を喚起させることは十分にできていません。具体的には、会計時にPOSシステムからタンブラー購入者限定の割引クーポンを自動発行するなどの施策が有効です。
これにより、平均購入個数を増やし、客単価を向上させます。
次に、③組数について検討します。
組数を増やす、つまり、より多くの消費者にスターバックスに来店してもらうためには、まずこの店舗に行く人がなぜ行くのかを考える必要があります。
東京駅周辺のスターバックスの場合、ニーズを抱えている人が多い順に、
1.高品質で信頼感のあるコーヒーが飲める、
2.電源やWi-Fiなどの環境が整っている、
3.移動の途中で立ち寄りやすい
があります。
これを見ると、3の理由は「立ち寄りやすさ」という利便性であり、他の競合も満たしているニーズに思います。
したがって、競合が満たせない、安定した組数(客数)を確保する施策を行うべきです。
ある消費者がスターバックスを継続的に利用する際に、
❶認識フェーズ:その店舗の存在を認識する、
❷検討フェーズ:利用ニーズを満たすことを認識する
❸利用フェーズ:購入や会員登録などの手続きを行う
❹継続フェーズ:継続的に利用する
という4つのフェーズを辿ります。このうち、スターバックス側が最もコントロールでき、かつ継続的な利用に繋がるのは❸利用フェーズです。

例えば、中期的な施策として、周辺オフィスビルと契約し、従業員が毎朝お得に利用できる法人向けサブスクリプションプランを導入することが有効です。これにより、安定的な組数を確保し、客数側の「稼働率」と「回転率」の安定化にも寄与します。
したがって、結論としては、短期的な施策としては「イートイン顧客へのタンブラー購入優待によるクロスセル強化」、中期的な施策としては「周辺企業との法人契約による安定的な顧客層の獲得」というものになりました。
どこが良くてどこが悪いのか
以下にそれぞれの回答に関して、どこが良くてどこが悪いのかを示します。
悪い回答例1

悪い回答例2

悪い回答例3

良い回答例

ケース面接での想定質問・ディスカッション
ここでは、「良い回答例」に対して実際のケース面接で想定される質問をいくつか挙げます。
ケース面接対策をする際にも、ただファーストアウトプットだけを出して満足するだけでなく、その後のディスカッションで想定される質問に対する回答練習も十分に行いましょう。
①タンブラー購入優待の割引クーポンの有効期限はどの程度に設定しますか?割引の深さによっては利益率が大幅に悪化しますが、その具体的な設定の基準を教えてください。
②なぜ現状、スターバックスはこれらのボトルネック解消施策を実行できていないと考えますか?
③ボトルネック解消の施策としては、他にはどのようなものが想定できますか?また、それらはコストかインパクトのどちらが微妙だと考えて、先のプレゼンでは述べなかったのですか?
④これらのボトルネックの解消施策を実行するときに、どの程度売上が向上されると想定されますか?
⑤ボトルネックを「急ぐビジネス層の検討時間の不足」と特定していますが、彼らがそもそもフードに興味がない可能性は排除できていますか?
⑥法人契約の具体的な営業戦略はありますか?東京駅周辺の競合他社(例:ドトール、エクセルシオール)も同様の法人サービスを提供した場合、スターバックスの優位性はどこで担保しますか?
⑦法人向けに安定供給を行うことで、一般顧客への商品の在庫が不足したり、ピーク時のレジがさらに混雑したりするオペレーションリスクをどう管理しますか?
⑧客単価のもう一つの因数である「平均商品単価」を上げる施策、例えば、客単価向上に直結する期間限定の高級ドリンクや特別な抽出方法のコーヒーなどを導入するアプローチはなぜ検討の対象から外したのですか?
💡ケース面接では、ファーストアウトプットの時点での「正解」や「完成度」そのものよりも、その後のディスカッションを通じて発揮される思考プロセスやポテンシャルが評価されます。
特に、論理的な応答力はもちろん、提案への鋭い批判や想定外の質問に対して、冷静かつ建設的に議論を深められるかが、評価を大きく左右する重要な要素となります。
最後に
ケース面接は、知識の量や正解を問う場ではありません。
むしろ、目の前の複雑な課題に対し、あなたがコンサルタントしてどのように状況を構造化し、実行力のある提言を打ち出していくかを試す、実務そのもののシミュレーションです。
これから選考対策として練習を重ねる際、決して模範解答やテクニックにのみ囚われないでください。大切なのは、「なぜそう考えるのか?」「どのように考えたら納得感のある提案ができるのか?」といった思考プロセスの本質を深く追求し、そして何より、コンサルタントとしての思考そのものを楽しむことです。その探求こそが、必ずや内定という結果に繋がると確信しています。
WowCraftでは、コンサルティング・ITエンジニアの方に対して、本気のキャリアサポートを行っております。
求職者様側は無料でサービスをご利用いただけます。ぜひ一度こちらからご相談いただけますと幸いです。
💡転職支援サービス「ProCraft」の特徴
■経営層、人事、現場の方々と直接の太いコネクションがあり、直接相談、特別ルートでの選考可能。■アクセンチュア・デロイトなど元コンサルティングファームのメンバーが多数在籍しているため、コンサルティングビジネスを理解している前提で具体的で詳細な情報提供が可能。
■コンサルティングファームに転職したい方向けのスキルアップコンテンツを自作しているため、コンサルティングビジネスへのイメージを明瞭に掴んでいただいた上での転職が可能。
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